鳩山由紀夫首相 辞任

鳩山由紀夫首相は2日、民主党両院議員総会で辞意を表明した。鳩山首相の演説の要旨は以下の通り。
「国民の皆さんありがとうございました。昨夏の闘いで政権が変わり、政治が大きく変わった。決して間違っていなかったと思う。官僚任せでない政治主導の政治の実現を目指し、この日まで頑張ってまいりました。国民のための予算を成立させることができました。もっともっと人の命を大切にする政治を進めていかなければと考えてきたが、国民の皆さんの心にはそのように写っていません。国民の皆さんが聞く耳をもたなくなった。私の不徳の致すところ。
一つには普天間の問題。社民党に政権離脱に追い込んでしまった責任を取らなければならない。
もう一つは政治とカネの問題。自民党を飛び出したのは、もっとクリーンな政治を取り戻そうということだったが、自分自身が政治資金規正法違反の秘書を抱えていたとは想像だにしていませんでした。何でクリーンなはずの民主党の代表がこんな事件に巻き込まれるのかと皆さんにはご苦労をおかけした。政治とカネの問題と決別した民主党を取り戻したい。
この問題では、小沢一郎幹事長にも政治とカネの問題あった。
私も退きます。幹事長も恐縮ですが、退いてほしい。それによってクリーンな民主党を作りたいとお伝えした。お互いその責めを受けなければいけない。小林千代美議員にも責めを負っていただきたい。それによって、国民に聞く耳をもっていただける国民の声もすっと通る新しい政治に生まれ変わる。
国民が主役になる世界をつくる、この思いを実現できるよう国民の皆さんに力を貸していただきたい。今日まで8カ月余り歩ませていただき、感謝申し上げ、メッセージとします」

小沢幹事長と共に辞任へ。

民主党両院議員総会で行われた鳩山由紀夫首相の退陣表明演説は約20分間に及んだ。辞任に及んだ理由が「普天間の混乱」と「政治とカネ」の2つにあると説明した際には大きな目を潤ませた。
演説終了後、首相は小沢一郎幹事長と握手を交わし、左手で小沢氏の肩を軽くたたいた。演説では「よりクリーンな民主党を作る」ため、過去2度の小沢氏との会談で「決して受動的で話ではなく、互いに責めを果たさなければならない」と小沢氏にも辞任を求め、了承を得ていたことを明かした。
民主党をめぐっては1日に公職選挙法違反罪の控訴審で、陣営に有罪判決の出た小林千代美衆院議員も含めた3氏側が政治資金規正法違反に問われており、小林議員にも「その責めを負っていただきたい」とした。
鳩山首相は自らをめぐる虚偽献金事件については、演説で「思ってもいなかった」と語り、「なんでクリーンであるはずの民主党が、しかも代表がこんな事件に巻き込まれるのかと、つらい思いをされたと思う」と集まった議員らに謝罪した。
クリーンな政治を訴え、「みなさんいかがでしょうか」と会場に訴えると、議員からは拍手がわき起こった。
総会に出席した藤末健三参院議員は「首相も幹事長も政治とカネについていまだ説明していない。このまま辞めても国民は納得しないのでは」と述べた。

在任中の名言・迷言の数々。

鳩山由紀夫首相は2日、民主党の緊急両院議員総会で、「政治とカネ」の問題や米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設をめぐる混乱の責任をとり退陣すると表明した。同じく「政治とカネ」の問題を抱える小沢一郎幹事長にも辞任を要請し了承されたことも明かした。民主党は4日の両院議員総会で新代表を選び、同日中の衆参両院での首相指名選挙を経て、7日にも新政権を発足させる。後継の最有力候補と目される菅直人副総理・財務相は2日、鳩山首相と会談し、党代表選への立候補を伝えた。
鳩山内閣は昨年9月の発足後、わずか8カ月半での退陣となった。
退陣表明を受け、民主党役員会は小沢氏ら全役員の辞任を決めた。新代表の下での新執行部発足まで党代表選を含む党務にあたる。16日までの国会会期は延長せず、参院選は予定通り、「24日公示、7月11日投開票」の日程で実施する。
菅氏は首相との会談後、記者団に「代表選立候補の決意を伝えた。国民が民主党政権に期待したことをしっかりと引き継ぐ」と語った。民主党の各グループは2日、相次いで会合を開き今後の対応を協議した。
首相は2日夕、記者団に対し、次期衆院選には出馬しないと表明した。

次に向けての動き。