DJ テクノウチ & V.A. 読む音楽

読む音楽 完全版

読む音楽 完全版

M3 2008春で頒布されたDJ テクノウチ氏の初の書籍『読む音楽』。Sharpnel・JEA氏の寄稿「ガバ進化論」の一節に02年頃の2ちゃんねるの創作系祭り(ムーブメント)に触れた箇所があり、そこにムネオハウスの単語が残っていました。

共通体験の変化

ネットが生み出した「祭り力」は共通体験の有り様を変化させ、さらには局地的存在であるガバをも進化させる。
2002年に突如大きな動きとして現れた、2ちゃんねるを発祥地点とするスレッド上での連続的なクリエイティブムーブメント(ちんこ音頭ムネオハウスなど)は、ネットコミュニティ上でのリスナー・クリエイター・プロデューサーという本来垂直的であったハイラルキーが匿名の下でフラットに構築され、当然のように多様性を最大限まで拡大できるだけ拡大して展開し、発散して次の祭りへとスムーズに移行する形態のムーブメントであった。全くコミュニティの外にいたはずのリスナーであっても、アウトプットされた成果物(アート作品)を通じてコミュニティに吸収され、参加者となり、更に発信側にまわるという図式が構築されており、「スレッド」という形で集うべき聖地を中核としたコミュニティが形成され、フラットでありながらもある秩序を保つことで、祭り全体の意識は統一され、結果としてよりレベルの高い作品を生み出す土壌へと昇華した。このムーブメントの中でもいくつかのガバクリエーターから作品が発表され、世にでる形となった。
(後略)
JEA 『ガバ進化論』 「読む音楽」 (2008) p.50 * 引用は同・完全版から

JEA氏はちんこ音頭に1曲、ムネオハウスに2曲、名義変えて曲出してらっしゃいますからね。
「多様性を最大限まで拡大できるだけ拡大して展開し、『発散して次の祭りへとスムーズに移行する』形態のムーブメントであった。」という一節がいかにも歴戦の手練れらしい視点だなぁと感じました。

備考

記事投稿日: 2013年12月29日