日米のFlashアニメーション比較を題材とした卒業論文

先日見本の論文でFlashアニメーションを題材にしていた駿河台大学・天野宏司先生の所のゼミ生の卒業論文Flashアニメーション」に記載有り。メインは日米のWebアニメーションの比較ですが、前段の歴史についての部分にムネオハウスを含めた日本の2chFlashアニメーションの歴史について書かれています。

3日本のFlashアニメーションの歴史

(前略)
2002年始めに2ちゃんねる(以下2ch)にFlash・動画2ch掲示板が設立された。最初こそ職人があまり集まらなかったものの,同年の2ch内のムネオハウスブーム(*2)などが起爆剤となり,ハイクオリティなアニメーション,ゲームが続々発表される中で,そこを発表の舞台として活躍する人が多く集まるようになる。多くの職人は作品の主人公にアスキーアート(ASCII Code)の0x20〜0x7eに含まれる文字,記号によって描かれたアート,顔文字が主流)を使用し(比較的キャラが決まっているので,一から設定する必要がない,画力の差がそれほどでない,などの利点がある)たため,それらの作品は「2chFlash」と呼ばれるようになる。そこでFlashのカリスマ的職人も数多く生まれ,年末に紅白分かれてFlash新作の発表を行う「紅白Flash合戦」は大きな注目を浴び,マクロメディアが開催に際して祝辞を送ったほどである。
稲益美沙都 (2008) 「Flashアニメーション」 『駿河台大学 文化情報学部 天野宏司ゼミナール 2007年度 ゼミ論文集』 p2 (PDF形式)

注記については

2 「ムネオハウス」とはこの時期に問題になった,鈴木宗男議員が不正に入札介入した宿泊施設の俗称だが,それを音楽ジャンル“ハウス・ミュージック”とひっかけたジョークスレッド「アシッドハウスムネオハウス」が2chのテクノ板に立ち(2002年2月14日 ,当該スレ )の97(21日)で鈴木氏の国会答弁での喋りをサンプリングした楽曲がアップされ,そうした曲を“ムネオハウス”と呼ぶことになった。
稲益, 前掲, p5.

ばるぼら氏の書籍-天野先生の説明のラインを踏襲した記述になっています。なお肝心の日米比較は検索にyahooビデオを使用しているせいか、作品の選択に大きく偏りが見られます。残念。
なお、この論文がたまたまWebで検索にかかるだけで、実際はもっと多くの学生論文で言及されてはいるのだと思われます。