間メディア社会と〈世論〉形成

いつもの遠藤薫先生の著書。第10章「ネットワークの中の<群衆> - 遊歩者たちのリアリティはいかに接続するか」の第六項『ネタオフとフラッシュ・モブ - ナンセンスな集合現象』冒頭に記載有り。

ムネオハウス - ネタオフ

とくに最近では、オフ会が、一種の大規模なパフォーマンスとして表現される事例が触れているようである。いわば、ネット上の仮想空間が現実空間のなかにせり出しているような現象である。
その一つのメルクマールとなったのが、2002年の「ムネオハウス」ムーブメントであったかもしれない。2003年に入っては、「マトリックスオフ」が代表的である。これらは、ネット上で生まれた「ネタ」を媒介に現実空間で集合的なパフォーマンス(イベント)を行うというもので、「ネタオフ」と呼ばれたりもする。オフ会(ネットで知り合った仲間たちが現実に集合する会)の発展形として発生したものである。
遠藤薫 「ネタオフとフラッシュ・モブ - ナンセンスな集合現象」 『間メディア社会と<世論>形成』 (東京電機大学出版局 2007) p.206

なおこの章の元となった論文は2004年3月発行の学習院大学法学会雑誌Vol.39に掲載されたものになります。

補足

同章第五項『創造的コミュニケーションとクリエイティブ・モブ』(pp199-206)の「恋のマイアヒ」とそれに連なる「のまネコブーム(騒動)」への注で

5.「フラッシュ動画をめぐる知的財産権
(前略)
匿名による集団的創作物に関する知的所有権絡みの問題は、「電車男」「ギコ猫」「ムネオハウス」など、すでに何回も起こっている。いずれも企業側が登録を取り下げる形で決着している。
(後略)
『間メディア社会と<世論>形成』 (東京電機大学出版局 2007) p.235

と書かれていますが、ムネオハウスに関してはどこかの企業が関連著作物の商標を取得するようなケースも含め「知的所有権絡みの問題が起こった」事案は確認されていません。
当時あったのはジャケット画像等をプリントしたものをヤフオクに出品した人が名無しさんから突っ込まれて削除したとか、その程度の話です。