ウェブアニメーション大百科 ムネオハウスに関する記載

記載は3カ所。

ムネオハウスとPV系Flash (p22-p23)

第一章「ウェブアニメーションの歴史」に第九項として「ムネオハウスとPV系Flash」と題した解説が掲載。内容は前年ににゅーあきばどっとこむに連載された「ばるぼらの「教科書には載らないコンテンツの歴史教科書」とほぼ同一のものです。追記部分として「tears PV」に影響を受けた軟骨氏、「num1000remix」企画での静かなる中条氏、後年登場する2501氏等のPV系Flash職人の話題や、イベント「Perfect Promotion」の開催、「PV系」から「MG系」への名称の変化、使用される曲が無断使用の市販曲から許諾の採れたインディーズ楽曲へと移行していった事などが記されています。

Muru-CORE PV (p97)

第二章「国内ウェブアニメーション275作品レビュー」に掲載、及び付属CD-ROMに作品が収録されています。

KIKI氏の名前を「PV系の先駆者」として認識している人は結構な古株だろう。音楽に同期した映像作品が「PV」と呼ばれ始めたごく初期から「PV製作委員会」というサイトを運営し、率先して普及活動に努めていたのがKIKI氏である。その中でも特に有名なのが本作だ。鳴り響くムネオハウスの楽曲に合わせて、言葉と画像のコラージュが、次々と現れては消えてゆく。今見ると流石に古い印象だが、多くのPV系職人に影響を与えた記念碑的作品。
ばるぼら 「国内ウェブアニメーション275作品 レビュー」 『ウェブアニメーション大百科 GIFアニメからFlashまで』(翔泳社 2006) p.97

記念物扱い。

かーずSPインタビュー

第三章「かーずSPインタビュー 『そうだ、かーずさんに訊いてみよう』FLA板から眺める日本Flash史」内で、2002年頃のFlashの流れを振り返る流れで触れられています。

2001〜2002年のFlash

(前略)
かーず : オタク系のFlash職人のパワーは当時から凄かったですから。クオリティ的にも一段上を行ってる印象がありました。「全板最萌トーナメント」でそれが発揮されてて、毎日Flashがガンガン投下されて、そのうち「ムネオハウス」がブームになってきて、一気に「PV系」というジャンルが認知されていきました。
ばるぼら : PV系で最初に見たのはなんだったか覚えてます?
かーず : きれいな核兵器さんかKIKIDOGさんのムネオハウスFlashです。衝撃がありましたね。曲の良さもあったんでしょうが、それに職人のセンスが加わって、TVなどの商業ベースでしか見られなかったような魅せる映像が個人ベースで公開されているという。
(後略)
ばるぼら 「かーずSP インタビュー」 『ウェブアニメーション大百科 GIFアニメからFlashまで』(翔泳社 2006) pp.212-213

追記

2006年11月に出版されたかーずSP氏編集のこちらの本ではムネオハウスに関する記載は無し。「num1000」の紹介でちょっと触れられているだけでした。
またばるぼら、かーず両氏の史観で共通しているのは、ムネオハウスFLASHはPV系というジャンルの開拓、認知度向上には貢献したが、その後の2ちゃんねるFLASH・動画板的PV(MG)系の直接の始祖となるのはスキマ産業氏の「num1000」だとしているところ。

なお、タイトルにvol.1と付いていますが、ご存知のように2006年頃に2chフラッシュ文化は完全に崩壊してしまったため、vol.2以降の発行は行われていません。