三井物産、モンゴルでも新疑惑浮上 / 田中康夫 失職・再出馬へ

モンゴルに同様の施設を建設するODA(政府開発援助)事業でも三井物産の疑惑が浮上した。入札予定価格の99%台という異例の落札額で受注、参加業者は3島と同じ顔ぶれだった。予想通りODAも食い物にした疑惑の構図が浮かび上がった。物産側はすでにODA事業の事実上の指名停止処分を受け、東京地検特捜部に逮捕された営業部長らも国後(くなしり)島での談合を供述しており、トップの引責辞任に発展する公算が高まった。

康夫知事はまず、「全国の知事で初めて不信任決議を受けたことを厳粛に受け止める」と語ったうえで、「熟慮に熟慮を重ねた結果、私は220万人県民に対し、16日午前0時をもって知事を失職することを選択した」と宣言した。
その理由として、「先の6月議会で、県議会から、補正予算や松本サリン事件被害者の河野義行氏を県公安委員に任命、住民基本台帳ネットの情報漏洩(ろうえい)防止条例など、私が就任以来、県民と県職員と進めてきた県政改革に必要なすべての案件を承認していただいた。県議会との間に一定の理解はあると考えている」と発言。
だが、議会最終日に不信任決議を受けたことを、「県議会の方々は、私の人間としての資質を問われて不信任決議された。改革を行う信念・意思にいささかの揺るぎもない私に対して厳しい判断をされた。私が知事としてふさわしいか否かを県民の方々に問うことが(議会解散か失職という)選択肢の中でふさわしいと考えた」と述べた。
康夫知事が「失職→再出馬」の意向を示したことで、知事選は50日以内に行われる。現時点で日程は8月15日告示、9月1日投票が有力。8月8日告示、同25日投票の可能性もある。この間、地方自治法に基づき、副知事が自動的に職務を代行する。