田中真紀子氏に文書で事実関係ただす 自民党政倫審 他

自民党山崎拓幹事長は9日午前の記者会見で、田中真紀子前外相(58)の“秘書給与ピンハネ疑惑”に関する党内調査について、真紀子氏が党政治倫理審査会林義郎会長)の事情聴取を拒否したと発表した。ところが、この件が報道されると町村信孝幹事長代理が慌てて会見を開き、「幹事長の勘違い」と全面訂正。真相はヤブの中といったところだが、自民党は真紀子氏におびえきっているようだ。

党政倫審は今週初めにも主要メンバーによる田中氏への事情聴取をする予定だったが、「本人に会うべき時とそうでない時がある。まずは事実関係を確認すべきだ」(町村信孝幹事長代理)として方針を変更した。

体調が悪いからと説明され、「はい、そうですか」と納得するほど与党もおめでたくはない。
自民党関係者はズバリこう指摘する。「体調を崩してから何日たっているんだ。想定問答などの対策ができていないための時間稼ぎだと思う」
与党幹部も「秘書を紹介した五島昌子氏(土井党首の政策秘書)が、給与のネコババまで指南したことが明らかになれば、土井党首の責任が問われることになる。それだけに慎重になっているんだろう」とバッサリ。
辻元氏に近い関係者によると、「司直の手を恐れて、精神的ダメージを受けているのは確か。参考人質疑に出席しても、普通の答弁をするのは無理」との情報もある。
過労などを理由に入院したのが3月26日夜。2週間程度の加療と診断されたが、すでに15日が経過した。自らまいたタネだけに、「時間稼ぎ」「敵前逃亡」と言われても仕方がない?!

ツジモト、カトウ、次はムネオ?! 加藤紘一自民党幹事長の議員辞職で、焦点はいよいよ、「疑惑のデパート」こと鈴木宗男衆院議員=写真=の議員辞職へと移った。野党が攻勢を強めるのは必至だが、ここへきて与党内からもケジメを求める声が噴出。自民党橋本派や首相周辺は「議員辞職の連鎖反応」(与党幹部)に警戒感を強めている。
「当然、これから一番大きな焦点は鈴木宗男さんの議員辞職だ」(民主党鳩山由起夫代表)
加藤氏の議員辞職を受け、野党側は改めてムネオ問題への攻勢を強めており、一度は否決された辞職勧告決議案の本会議上程や、再度の証人喚問を求めていく。
一方、離党をもって宗男氏のケジメとしていた古巣の自民党内からも、「(加藤氏辞職は)いいお手本になるんじゃないですか」(中山正暉衆院議員)などと皮肉が飛び出すなど、宗男氏に向けられた視線は厳しさを増している。
公明党神崎武法代表も、「鈴木さんの問題は、まだ終わったわけではない」との見方を示す。