3/25 辻元清美 TBS出演時の発言 要旨

辻元清美氏が25日夜、TBSの番組で語った主な発言は次の通り。
−−公金流用にあたると思うか。
「個人的な費用に使ったことはなく、すべて政治活動に使ってきたので、そうは思っていない。3人の秘書給与では仕事ができないので5〜7人でシェアしていたのが実態だ。一部のお金を申告していなかったことは反省している」
「(当時は)永田町の常識を知らなかった。当選直後でベテランに入ってほしかったが、1年生議員では政策秘書は見つからない。そこで先輩議員のところで働いている人にサポートをしてほしいと(考えた)。永田町のことを教えてもらう存在がとても大事だった。大きな役割を果たしてもらった。よちよち歩きの時にサポートしてくれて感謝している」
−−政策秘書の位置づけをわかっていたのか。
「位置づけはわかっていた。ただ秘書がたくさん働けるようにしたかった。お金がなくて議員になった私は、私個人の歳費も出して運営するしかなかった。お金も組織もない人間が国会議員になって、立法活動や選挙ができないという現実に直面した。日本の秘書制度のあり方はおかしいので、変えていきたい」
−−名義貸しでは。
「違う。永田町の経験、知恵は大事で、貢献してくれていた。名義貸しではないと思う」
−−20日の記者会見でなぜ全面否定したのか。
「おわびします。週刊新潮が出た日にきちっと事実関係を確認せずにしゃべったことは反省している。勇み足だった。本当に軽率だった」
−−辞職の声が圧倒的だ。
「二つやりたい。一つは私を参考人招致でも証人喚問でも呼んで、まな板にのせて議論してほしい。こういう問題が起きて私のところにもいろんな話がくる。公の場で議論したい。もう一つは、オープンな場で秘書問題について議論したい。(私に対する)議員辞職勧告決議案をぜひ出してほしい。本会議場で記名採決してほしい。決議されれば私はきちっと問題提起して辞める」
−−辻元氏には間違いがあった。
政治資金規正法に抵触していると考えている。ただ衆院議員480人のうち、100人くらいは(議員の)家族が(秘書をして)いる。捨て身で切り込み、そういう前例を出して一石を投じたい」
−−詐欺罪の可能性もある。
「実働をどうみるかだ。電話相談、アドバイス、ブレーンという働きがあるので、(詐欺罪は)あたらないと思う」「加藤紘一氏、鈴木宗男氏を引き連れて辞めたるとか、いろんなことを思う。腹は決めてるが、私が潔く辞めて政治が変わるのかということも、思い悩んでいる」

“メディアの申し子”は、最後までメディアで暴走した−。“政策秘書給与ネコババ疑惑”の渦中にある社民党辻元清美政審会長(41)。「あとで会見を開きます」という記者団との約束を反故(ほご)にし、25日夜、お気に入りの民放番組に出演し、「カトウ、スズキを連れて辞めたる」と関西弁で開き直った。往生際の悪さに支持者の批判の声が高まる一方、教え子を説得できなかった党首である「おたかさん」の求心力は低下。メディア利用で台頭してきた1議員に、振り回されている。
「苦しい。どうすればいいのか」「悔しいんです」−。辻元氏は、懇意にしている筑紫哲也氏がニュースキャスターを務めるTBS系の「ニュース23」に出演、硬い表情のままで苦しい胸のうちを吐露した。
だが、話が進退問題に及ぶと一転して俄然(がぜん)、強気の姿勢に打って出た。「参考人招致、証人喚問に呼んでほしい」
自らの法律違反をすり替えての論の展開に、他の出演者もア然とした。辻元氏は「辞職勧告決議案を出し、本会議場で採決してほしい」とまで言い放った。
「国会にしがみついてるカトウさんやムネオさんと一緒に見られたくはない」としながらも、政治信条かワガママだか分からないような論理も展開した。
「本会議場で採決される前例を作りたい」
「問題提起のため、捨て身になって切り込む」
「辞めるんだったら、何かして辞めたい」
だが、一連の開き直りの釈明は、辻元氏の不評を倍加させた感がある。
24日に議員辞職を否定したことで、国民に垣間(かいま)みせた往生際の悪さが、このテレビ出演で決定付けられたのだ。
「疑惑に対し、いつもの快活さがない。奥歯に物が挟まったような弁明」「疑惑に対し、一度でもウソをついたのは残念だ」−。辻元氏の支持者らからは、こんな失望の声が漏れる。
「まず記者会見で(国民の前に)説明を」と求めていた社民党も、辻元氏のスタンドプレーに振り回された。政治改革が売り物の社民党にとって、クリーン・イメージに傷がつく。
辻元氏が全方向からの厳しい質問に答えてこそ、「社民党の疑惑隠しは皆無」という印象を強めることになるはずだった。
だが、辻元氏がスタンドプレーの場として選んだのは、懇意のキャスターがいる番組。筑紫氏の妻は辻元氏が衆院議員になる前の平成7年に30万円をカンパ、12年になって政治献金として処理されている。
24日に出演した番組のキャスターも、親交のある田原総一朗氏だった。
辻元氏が「尊敬している」といい、辻元氏を擁立した土井たか子党首にも苦悩の色が浮かぶ。「20日の会見で、事実と違うことを言った以上、けじめをつけるべきだ」と最後通告をした土井党首を振り切るかのように暴走した辻元氏への対処で、土井党首の求心力までも低下した。
田中真紀子前外相と同じように、古い政治体制に対する「一種の破壊屋」でもある政治ヒロイン。メディアに乗って、そんなイメージさえ抱かせた一人の政治家がメディアで暴走し、その最期を決定付けた。<<